溶連菌感染症は、子供たちによく見られる感染症の一つです。のどの痛みや発熱などの症状が特徴的ですが、適切に治療しないと合併症を引き起こすことがあります。今回は、溶連菌感染症の症状・診断・治療・予防についてわかりやすく解説します。
溶連菌感染症とは
小児の溶連菌感染症は、主にのどで起こる感染症です。原因菌はA群β溶連菌(Streptococcus pyogenes)と呼ばれる細菌で、のどや扁桃腺に感染して炎症を引き起こします。
感染は、空気中の飛沫や接触によって広がります。幼少期から思春期にかけての発症が多く、保育園や学校など集団生活の場で広がりやすい感染症です。
症状と合併症
主な症状
- のどの痛み:激しいのどの痛みが現れます。のどが赤くなり、飲み込みが痛いことがあります。
- 発熱:38度以上の発熱が見られることが多いです。
- 扁桃腺の腫れ:扁桃腺が腫れ、口内に白い膿のようなもの(白苔)が見られることもあります。
注意すべき合併症
溶連菌感染症は、適切に治療しないと以下のような合併症を引き起こすことがあります。
- 溶連菌感染後急性糸球体腎炎
- 溶連菌感染の1〜4週間後に腎臓の糸球体に炎症が起こり、腎機能に影響を及ぼすことがあります。主な症状には浮腫(むくみ)・血尿があります。
- リウマチ熱
- 感染後に発症する可能性がある合併症で、心臓・関節・皮膚などに炎症を引き起こします。主な症状には高熱・関節痛・心臓弁の損傷が含まれます。
これらの合併症を防ぐためにも、早期の診断と適切な治療が非常に重要です。
診断方法
- 身体検査:のど・扁桃腺・頸部リンパ節を診察し、腫れや炎症を確認します。
- 咽頭検体採取:のどから検体を採取し、迅速抗原検査キットで溶連菌の存在を確認します。数分で結果がわかります。
- 血液検査:血液中の白血球数やCRP(C反応性蛋白)のレベルを調べ、感染の程度を評価します。
治療法
溶連菌感染症の治療には、抗菌薬(抗生物質)の内服が必要です。合併症を防ぐためにも、症状が改善しても処方された期間(通常10日間程度)は飲み続けることが大切です。途中でやめると菌が残り、合併症のリスクが高まります。
- 抗菌薬治療:アモキシシリンなどのペニシリン系抗菌薬が第一選択です。適切に服用することで、細菌の増殖を抑え、症状の改善が期待できます。
- 安静と水分補給:病気の間は安静にし、十分な水分を摂ることが推奨されます。
- 症状の管理:のどの痛みや発熱には、解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)を使用することがあります。
登園・登校のめやす
抗菌薬を飲み始めてから24時間が経過し、発熱がなく元気であれば、登園・登校を再開できることが多いです。ただし、必ず医師に確認してください。
予防策
- 手洗いと衛生:こまめな手洗いを習慣づけましょう。咳やくしゃみの際にはティッシュや肘で口を覆います。
- 感染者との接触を避ける:感染者との接触をできるだけ避けましょう。
- 家族内での感染対策:感染者の使用物品を分け、タオルや食器の共用を避けましょう。
- 早期の診断と治療:症状が現れたら早めに医師の診察を受け、感染拡大を防ぎましょう。
まとめ
溶連菌感染症は、のどの痛みや発熱を主な症状とする細菌性の感染症です。早期に診断して抗菌薬を適切に飲み切ることで、合併症(糸球体腎炎・リウマチ熱)のリスクを大きく減らすことができます。
症状が疑われる場合は、早めに当院へご相談ください。