子どもが熱を出すとき、突然ガタガタと激しく震えだすことがあります。初めて見る保護者の方は「もしかかけいれん?」と非常に慌ててしまう現象です。これは「シバリング」と呼ばれる熱の上がり際の生理現象です。今回はシバリングが起こる原因や、心配な「熱性けいれん」との見分け方、家庭での正しい対応について解説します。
シバリングとは?なぜ体が震えるの?
熱が出るときに体がブルブルと震える現象を「シバリング(Shivering)」と呼びます。
私たちの体は、脳にある体温調節中枢によって平熱(設定温度)が管理されています。風邪などの感染症にかかると、免疫がウイルスと戦うために設定温度が一時的に高く引き上げられます。このとき、体温を設定温度まで急いで上げるために、筋肉を細かく動かして熱を作り出そうとします。これがシバリングのメカニズムです。
ハマッコ
ハマッコ
寒くてブルブル震えるのと同じ原理なんだね!体が一生懸命熱を作ってウイルスと戦おうとしているんだ!
シバリングは病気そのものではなく、体が熱を作ろうとする正常な防御反応ですので、過度に恐れる必要はありません。体が十分に温まり、熱が上がりきると自然と震えは治まります。
「シバリング」と「熱性けいれん」の決定的な見分け方
保護者の方が最も不安になるのは、震えが「熱性けいれん」ではないかという点です。シバリングと熱性けいれんには、以下の見分け方のポイントがあります。
| ポイント | シバリング(寒気による震え) | 熱性けいれん(ひきつけ) |
|---|---|---|
| 意識の有無 | 意識がある(呼びかけに応じる、目が合う) | 意識がない(呼びかけに応じない、視線が合わない) |
| 震えの様子 | 細かくガタガタ左右対称に震える | 手足がつっぱる、または左右対称に強くピクピクする |
| 目の様子 | 視線はしっかりしており、白目をむかない | 白目をむく、目が一点を凝視して固定される |
| 持続と終わり方 | 体が温まると徐々に治まる | 通常数分(多くは2〜3分)で突然治まる |
ナースさん
一番大切なのは「意識があるかどうか」です。名前を呼んで目が合うか、ママやパパを認識できているかを確認してくださいね。
子どもがシバリングを起こしたときの正しいホームケア
子どもの状態に合わせて、時系列でホームケアの方法を変えることが大切です。
1. 震えているとき(熱の上がり際)
- 体を温める:寒がって震えている間は、布団をかけたり、衣服を1枚多く着せたりして体を温めてください。
- 冷やすのはNG:このタイミングで頭や体を冷やすと、体はさらに熱を作ろうとして震えが激しくなってしまいます。冷やすのは震えが治まってからにしましょう。
2. 震えが治まり、熱が上がりきったとき
- 熱を発散させる:震えが治まり、子どもが「暑い」と言い始めたり、汗をかき始めたりしたら熱が上がりきったサインです。布団を軽くし、薄着にして熱を逃がしてください。
- 体を冷やす:本人が嫌がらなければ、脇の下、太ももの付け根、首の周りなど、太い血管が通っている場所を冷やしてあげると効果的です。
- 水分補給:発熱で水分が奪われるため、こまめに水分(水、お茶、経口補水液など)を飲ませてください。
小児科を受診する目安
シバリング自体は心配ない生理反応ですが、以下のような症状が見られる場合は小児科を受診してください。
- 意識が朦朧としている、または呼びかけへの反応が鈍い
- けいれん(熱性けいれん)が起き、5分以上続いている(5分以上続く場合は救急車を呼んでください)
- 水分が全く摂れず、おしっこが半日以上出ていない
- 呼吸が苦しそう(ゼーゼーする、肩で息をするなど)
- 生後3か月未満の乳児が38度以上の発熱をしている
子どもの発熱に関してご不安なことや、受診のタイミングに迷う場合は、当院の一般外来までお気軽にご相談ください。