「目がまっかっか!」「目やにがたくさん出てる!」そんなお子様の様子に驚いた経験はありませんか?こどもに多い目の感染症のひとつが「流行性角結膜炎」、通称「はやり目」です。感染力がとても強く、保育園や学校での集団感染も起きやすいため、正しい知識を持っておくことが大切です。
流行性角結膜炎(はやり目)とは
流行性角結膜炎は、アデノウイルスによって引き起こされる目の感染症です。「はやり目」という名前の通り、感染力が非常に強く、周囲に広がりやすい特徴があります。
アデノウイルスはさまざまな型があり、目の症状を引き起こすのは主に8型・19型・37型などです。同じアデノウイルスでも型によって症状が異なります。
ハマッコ
アデノウイルスって、いろんな病気を起こすの?
ナースさん
そうなんです!アデノウイルスは60種類以上の型があって、型によって引き起こす病気が違います。のどに強い炎症が出る「咽頭結膜熱(プール熱)」も同じアデノウイルスですが、主に3型・7型が原因です。「はやり目」とは別の病気ですよ。
感染経路と予防
流行性角結膜炎は、主に以下の経路で感染します。
- 接触感染:感染者の目やに・涙が手に付き、その手で目を触ることで感染します。
- 間接接触感染:タオル・ハンカチ・洗面用具など、感染者が使ったものを共有することで感染します。
アデノウイルスは乾燥した環境でも比較的長く生存できるため、感染者の周囲では特に注意が必要です。
ナースさん
タオルの共有は絶対にNGです!感染者が使ったタオルを触っただけでも感染することがあります。家族内での感染拡大を防ぐために、タオル・洗面器・枕カバーなどは必ず別々にしましょう。また、目を触った後はすぐに石けんで手洗いを行ってください。
症状と経過
感染から症状が出るまでの潜伏期間は8〜14日程度です。主な症状は以下の通りです。
- 目の充血(白目が真っ赤になる)
- 大量の目やに(最初は水っぽく、のちに粘り気が出ることも)
- まぶたの腫れ
- 目のかゆみ・痛み・異物感
- まぶしさ(羞明)
- 涙が多く出る
最初は片目だけに症状が出て、数日後にもう片方の目に広がることがよくあります。発熱やのどの痛みなど、かぜのような症状を伴うこともあります。
症状は通常2〜3週間で改善しますが、重症例では角膜(黒目の部分)に混濁が生じ、視力に影響が残ることがあります。症状が強い場合は必ず眼科を受診してください。
診断
診断は症状と診察所見をもとに行います。確定診断には、目やにを採取してアデノウイルスを検出する迅速検査キットが使われることがあります。
迅速検査キットは感染から早期すぎる場合には陰性になることもあります。検査結果が陰性でも、症状や所見から流行性角結膜炎と判断されることがあります。
治療
流行性角結膜炎に対する特効薬(アデノウイルスを直接やっつける薬)はありません。治療は症状を和らげる対症療法が中心です。
- 抗菌点眼薬:細菌の二次感染を防ぐために処方されることがあります。
- 抗炎症点眼薬:炎症を抑えるために使用します。
- 人工涙液:目の乾燥や不快感を和らげます。
ハマッコ
ウイルスをやっつける目薬はないの?
ナースさん
残念ながら、アデノウイルスに直接効く目薬はまだありません。目をこすらないようにして、目やにをやさしくふき取り、点眼薬で症状を和らげながら自然に治るのを待ちましょう。
登園・登校のめやす
流行性角結膜炎は学校保健安全法で「第三種感染症」に指定されており、出席停止の対象となります。
登園・登校の再開は、医師が感染のおそれがないと認めるまでが基準です。目安として、症状が始まってから約1〜2週間程度は出席停止となることが多いです。必ず医師に確認してから登園・登校を再開してください。
まとめ
流行性角結膜炎(はやり目)は、アデノウイルスによる感染力の強い目の病気です。特効薬はなく対症療法が中心ですが、ほとんどのお子様は2〜3週間で回復します。
感染拡大を防ぐために、手洗いの徹底・タオルの共有禁止・目を触らないことが大切です。症状が疑われる場合は早めに眼科・小児科を受診し、登園・登校の再開は必ず医師の判断に従ってください。
ご心配なことがあれば、いつでも当院にご相談ください。