目次

乳児で始まる予防接種

肺炎球菌

2013年11月1日から7価結合型に替わって定期接種に導入されました。標準的には生後2か月以上7か月未満で開始し、27日以上の間隔で3回接種します。

追加免疫は通常、生後12~15か月に1回接種します。合計4回皮下接種です。

初回接種が遅れたら

接種開始回数・間隔
生後7か月以上12か月未満27日以上の間隔で2回接種したのち、60日間以上あけてかつ1歳以降に1回追加接種。
1歳60日間以上の間隔で2回接種
2歳以上5歳未満1回接種

2020年5月29日から、「肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる、6歳以上65歳未満の方への接種が可能となります。

  • 慢性的な心疾患、肺疾患、肝疾患又は腎疾患
  • 糖尿病
  • 基礎疾患若しくは治療により免疫不全状態である又はその状態が疑われる者
  • 先天的又は後天的無脾症(無脾症候群、脾臓摘出術を受けた者等)
  • 鎌状赤血球症又はその他の異常ヘモグロビン症
  • 人工内耳の装用、慢性髄液漏等の解剖学的要因により生体防御機能が低下した者
  • 上記以外で医師が本剤の接種を必要と認めた者

B型肝炎

2016年10月1日から定期接種導入。2016年4月1日以降に生まれた人が対象です。

3回接種で、
1回目:生後2か月
2回目:生後3か月
3回目:生後7-8か月
に接種します。1回目と2回目は27日(4週)1回目と3回目は139日(20週)以上あけて接種します。

ロタウイルス

2020年10月1日から、2020年8月1日以降に生まれた児を対象に定期接種導入されました。ロタウイルスワクチンを接種することで、初回自然感染時の症状を軽症化させます。

初回接種は生後6週から、出生14週6日後までに行います。間は4週以上あけます。※「出生〇週後」は、生まれた日を0日として計算する。

ロタリックス®(1価)は2回接種で生後24週0日までに、ロタテック®(5価)は3回接種で生後32週0日までに終えるようにします。どちらも効果に明らかな差はみられないとされていますので、お近くの医療機関で取り扱っている方を接種していただければと思います。

ヒブ

インフルエンザ菌B型に対する予防接種です。

生後2か月以上5歳未満の間に行うとされています。標準的には生後2か月以上7か月未満で接種を開始するようにしましょう。ただヒブ髄膜炎は0歳児に多いため、生後2ヶ月になったら早めに接種をするようにしましょう。

接種方法は、通常、生後12か月になるまでの間に27日以上の間隔で3回皮下接種をします。(医師が必要と認めた場合には20日間隔で接種も可能です)。

初回接種から7か月以上あけて、追加接種を1回行います。小児科学会は、1歳を超えたら接種を推奨しています。

初回接種が遅れたら

  • 接種開始が生後7か月以上12か月未満になってしまった場合は、通常、生後12か月に至るまでの間に27日以上の間隔で2回皮下接種することになっています(こちらの場合も医師が必要と認めた場合には20日間隔で接種も可能です)。
  • 接種開始が1歳以上5歳未満になってしまった場合は、通常皮下接種を1回行います。

四種混合(DPT-IPV)

D:ジフテリア、P:百日咳、T:破傷風、IPV:不活化ポリオを表します。IPVは2012年9月1日から、DPT-IPV混合ワクチンは2012年11月1日から定期接種に導入されました。

生後2か月になったら早めに接種します(2023年4月から生後2ヶ月に接種に早まりました)。はじめの3回は各々20〜56日(3週〜8週)の間をあけます。

4回目は3回目と6か月以上あけます。標準的には1歳〜1歳半で接種します。

回数は4回接種です。生ポリオワクチンをすでに1回接種している場合は、IPVをあと3回接種します。間は20日以上あけて接種します。

五種混合(DPT-IPV+Hib)

2024年2月1日以降生まれの方が対象です。

上記の四種混合とHibワクチンが一緒の製剤になったものです。2024年4月1日から定期接種化されます。

生後2か月になったら早めに接種します。はじめの3回は各々20〜56日(3週〜8週)の間をあけます。

4回目は3回目と6か月以上あけます。標準的には1歳〜1歳半で接種します。

なお、2024年2月1日より前の生まれで、すでに四種混合とHibで接種を開始している方については、そのまま四種混合とHibで接種を進めていくこととなっています。

五種混合 予診票についての注意

  • 母子手帳の予防接種欄、予診票、バーコードシールについて、五種混合への改定をいま進めているとのことです。そのためいまお手元にある母子手帳・予診票・バーコードシールは四種混合とHibになっているかと思います。五種混合ワクチン接種する際は、四種混合とHibの両方の予診票とバーコードシールをお持ちください。
  • 予診票への記載は四種混合ワクチンのほうにだけお願いします。Hibの予診票とバーコードシールはクリニックにて破棄します(打ち間違い防止のため)。

はまっここどもクリニックでは、平日の14時から15時に予防接種・健診の専用時間帯を設けています。(なるべく専用時間帯での接種を推奨していますが、平日のその他の時間帯、土曜日も接種可能です。)

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お子様の初めての予防接種(生後2か月の予防接種)を控えている方は下記WEBフォームからお問い合わせいただくことも可能です。ご活用ください。

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    BCG

    12ヶ月未満に接種します標準的には生後5-8ヶ月未満に接種します。結核の発生頻度の高い地域では早期の接種が必要です。

    接種後に気をつけることは、コッホ現象です。

    結核に感染しているお子さんにBCGワクチンを接種すると、接種したところの反応がふつうよりも早く、強く出ます。これを『コッホ現象』といいます。

    日本BCG製造株式会社 https://www.bcg.gr.jp/general/bcg/bcg_1.html

    コッホ現象の画像は、日本ビーシージー株式会社の、一般の皆様へのページを御覧ください。

    BCG接種部位の反応は、通常であれば打ったあとの10日後頃から少しずつ赤くなり、約1~2ヵ月後に赤みが強くなります。コッホ現象は反応が早く強く出るため、比較的すぐに(1,2日後)強い反応がでます。その反応はその後徐々に弱くなっていきます。

    コッホ現象があらわれたお子さんは結核に感染していないか検査する必要があります。夜間・休日に緊急で受診する必要はありません。ワクチン接種を受けた医療機関もしくは、集団接種を受けた自治体にご連絡ください。

    1歳以降から始まる予防接種

    MR

    1回目:1歳以上2歳未満 2回目:5歳以上7歳未満(小学校入学前の1年間)に接種します。

    原則としていまは麻しん・風しん混合のMRワクチンを接種します。麻しんワクチン・風しんワクチンの片方だけを打ったことがある人や、片方だけの接種を特別希望する場合は接種することができます(実際に接種できるかは医療機関に取り扱いを確認ください)。

    麻しんの方と接触して、発症予防として接種する場合は、麻疹ワクチンを生後6か月以降で接種可能です。その接種は接種回数に数えず、標準接種の1回目・2回目は規定通り接種します。

    水痘

    2014年10月1日から定期接種が導入されました。

    1回目:生後12-15か月 2回目:1回目から3か月以上(標準的には6-12か月)あけて接種します。

    おたふくかぜ

    おたふくかぜワクチンは、定期予防接種ではなく任意接種です。そのため医療機関ごとに設定されている料金がかかります。

    1回目:1歳をすぎたら早期に接種します。 2回目:MRワクチン2回目と同時期の、5歳以上7歳未満(小学校入学前の1年間)に接種します。

    肺炎球菌・ヒブ・四種混合

    肺炎球菌の追加接種は、生後12~15か月に1回接種します。

    ヒブの追加接種は、初回接種から7か月以上あけて、追加接種を1回行います。小児科学会は、1歳を超えたら接種を推奨しています。

    四種混合ワクチンは、4回目は3回目と6か月以上あけます。標準的には1歳〜1歳半で接種します。

    1歳の標準スケジュール

    1歳になれば、上記の肺炎球菌・ヒブ・四種混合・MR・水痘・おたふくの6種類を接種できます。
    ただし、1歳の水痘ワクチン①の3か月後に水痘ワクチン②があるため、四種混合をそちらと同時に接種することが多いです。

    1歳:肺炎球菌④・ヒブ④・MR①・水痘②・おたふく①
    1歳3か月:水痘②・四種混合④

    3歳以降から始まる予防接種

    日本脳炎

    1回目と2回目:3歳(1回目と2回目は6〜28日(1〜4週)あけます)
    3回目:4歳(2回目から1年あけます)
    4回目:9歳

    ※ 平成19年4月2日から平成21年10月1日生まれの人は生後6か月から90か月未満と9歳から13歳未満の期間内であれば定期接種として第1期(1回目〜3回目)の未接種分を接種可能です。

    ※ 平成7年4月2日から平成19年4月1日生まれの者で4回の接種が終わっていない人(ただし20歳未満の人に限ります)については、厚生労働省のHP参照。

    HPV(ヒトパピローマウイルス)

    2価、4価、9価のワクチンがあります。2価はサーバリックス®4価はガーダシル®9価のシルガード9®が定期接種として接種できます。

    シルガード®

    • 接種開始:9歳以上。
    • 15歳未満であれば2回接種。1回目と2回目を6~12か月以上の間隔をあける。
    • 3回接種法は、1回目と2回目は2か月以上あける。1回目と3回目は6か月以上あける。
      標準の接種時期:0、2、6か月(打ちはじめからの月数)

    サーバリックス®

    • 接種開始:10歳以上。
    • 1回目と2回目は1か月以上あける。
    • 1回目と3回目は5か月以上あけ、2回目と3回目は2か月半以上あける。

    標準の接種時期:0、1、6か月(打ちはじめからの月数)

    ガーダシル®

    • 接種開始:9歳以上。
    • 1回目と2回目は2か月以上あける。
    • 1回目と3回目は6か月以上あける。

    標準の接種時期:0、2、6か月(打ちはじめからの月数)

    平成9年度生まれ~平成17年度生まれの女性で、過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていない人は、令和4年4月~令和7年3月の間改めての接種機会があります(キャッチアップ接種)。

    インフルエンザ

    年齢回数1回量
    6か月〜3歳未満2回0.25ml
    3歳以上13歳未満2回0.5ml
    13歳以上1回0.5ml

    2回接種の場合は、4週間の間隔をあけます(2〜4週間)。

    はまっここどもクリニックでは、毎年インフルエンザの予防接種を行っています。

    当クリニックのLINE公式アカウント「はまっここどもクリニック【公式】」を友達追加し、接種時期になりましたら、ネットからご予約ください!毎年、接種日程が決まり次第、ホームページやLINEで通知しています。

    この記事を書いた医師

    望月 優暁

    Masaaki Mochizuki

    日本小児科学会 小児科専門医
    はまっここどもクリニック 院長

    2015年横浜市立大学医学部医学科卒業、横浜市立市民病院、藤沢市民病院、横浜市立大学附属病院、静岡県立こども病院等で小児医療に携わり、2023年に横浜市都筑区に「はまっここどもクリニック」を開院。


    参考資料