小児のインフルエンザ感染症は、季節ごとに流行し、特に子供たちにとって重要な感染症です。インフルエンザは高熱、喉の痛み、咳、体の痛みなどの症状を引き起こし、学校や保育園で感染が広がる可能性があります。

小さな子どもたちは免疫系が未熟であるため、特に感染症に対するリスクが高くなります。インフルエンザは重症化することもあるため、予防が非常に重要です。このコラムでは、小児のインフルエンザに関する情報や予防策、ワクチンの重要性について詳しく説明します。

お子様たちの健康を守り、家族全体の安心を確保するために、小児のインフルエンザについての知識と対策を共有していきましょう。

目次

小児におけるインフルエンザの症状

小児におけるインフルエンザの症状は、一般的な風邪と似ていますが、より重篤で急激に現れることがあります。ここでは、小児のインフルエンザの特徴的な症状について詳しく説明します。

  1. 高熱: インフルエンザの最も一般的な症状は高熱です。子どもは39℃以上の高熱を発症することがあり、この高熱が急に現れます。
  2. 喉の痛み: 喉の痛みが強く出ることがあります。飲み込むのが痛いという訴えがあることがあります。
  3. : 乾いた咳や粘り気のある咳が現れます。咳は持続的で、夜中に咳き込むことがあります。
  4. 体の痛み: 全身の筋肉や関節の痛みが出ることがあります。体がだるく、疲れやすく感じることがあります。
  5. 頭痛: 頭痛が発生することがあります。年長児で頭痛を感じる頻度が高くなる傾向がある印象です。
  6. 吐き気と嘔吐: インフルエンザによる吐き気や嘔吐は、特に小児において頻繁に見られます。

これらの症状は、小児のインフルエンザの特徴であり、感染が広がるリスクが高いことから、早期の診断と適切な対処が重要です。

2023年夏~秋の流行状況【横浜市】

横浜市HP「グラフで見る報告定点当たり疾患別流行状況」
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kenko-iryo/eiken/kansen-center/kansensho/graph/graph_all.html

2023年8月下旬から、横浜市をはじめ全国的にインフルエンザが流行しています。感染症が流行する原因には、きわめていろいろな要素が絡むため、単一的に説明できるものはありませんが、一つはコロナ禍において、人々が徹底した感染対策をしたおかげか、インフルエンザが流行しなかったことも関与しているかもしれません。上記横浜市のグラフでは、2018年、2019年は12月~2月に流行しているのに比べ、それ以降はそれに比べると流行が乏しいことがわかります。抗体価が低いことで、学校等で感染者が出た場合に、周りの人々も次々に罹りやすい状況ができているのかもしれません。

予防がきわめて大事な疾患になります。

予防

小児のインフルエンザを予防するためには、特に以下の予防策を実践することが大切です。

  1. インフルエンザワクチンの接種: インフルエンザワクチンは、小児のインフルエンザを予防する最も効果的な方法の1つです。年齢や健康状態に応じたワクチンを接種し、定期的な予防接種スケジュールを守りましょう。ワクチンは免疫を高め、感染拡大を抑える役割を果たします。
  2. 手洗いと衛生習慣: 小児は感染しやすいため、手洗いは特に大切です。こまめな手洗いを習慣化し、アルコール消毒液を使用することで、ウイルスの拡散を防ぎましょう。また、咳やくしゃみをする際にはティッシュや袖の内側を使い、他の人への感染を防ぎます。
  3. 公共の場でのマスク着用: インフルエンザが流行している場合や、密集した場所に行く際には、マスクを着用することが有効です。マスクは飛沫感染を防ぎ、感染リスクを軽減します。
  4. 感染者との接触の制限: インフルエンザの症状がある人との接触を避け、家庭内での隔離を実施しましょう。感染者との接触を最小限にすることで、感染リスクを減少させます。

これらの予防策は、小児のインフルエンザ感染を防ぐために役立ちます。特に、インフルエンザワクチン接種は重要であり、医師の指示に従って予防策を実施することが子供たちの健康を守る鍵です。次の部分では、小児へのワクチン接種について詳しく説明します。

インフルエンザワクチンについて

インフルエンザワクチンは、インフルエンザにかかりにくくしたり、かかっても重症化しにくい効果が期待できます。2023年/2024年シーズンは、ワクチンは以下の株に対応しています。

○2023/2024冬シーズン
A/Victoria(ビクトリア) /4897/2022(IVR-238)(H1N1)pdm09
A/Darwin(ダーウィン) /9/2021 (SAN-010)(H3N2)
B/Phuket (プーケット) /3073/2013 (山形系統)
B/Austria(オーストリア) /1359417/2021(BVR-26)(ビクトリア系統)

国立環境研究所(https://www.niid.go.jp/niid/ja/flu-m/2066-idsc/related/584-atpcs002.html)

2023年夏や秋に、一度インフルエンザになった方でも、その時に罹患したタイプとは違うタイプへの対策として、インフルエンザワクチンを接種しておいたほうがよいと考えます。

また、インフルエンザワクチンは以下のように、年齢ごとに接種量や回数が異なります。ご自身やお子さんの年齢を確認して、適切な接種量・回数で、対策をしましょう。

生後6ヶ月~3歳

1回0.25ml

2週間以上あけて2回接種

3歳~13歳未満

1回0.5ml

2週間以上あけて2回接種

13歳以上

1回0.5ml

1回接種

まとめ

小児のインフルエンザは季節ごとに発生し、特に子供にとって健康へのリスクが高い病気です。症状は高熱、喉の痛み、咳、体の痛みなどであり、早期の診断と適切な対処が必要です。予防策として、インフルエンザワクチン接種が重要であり、年齢に応じた接種スケジュールを守る必要があります。手洗いやマスクの着用、感染者との接触制限も感染拡大を防ぐために大切です。

学校や保育園での感染予防対策、家庭内での注意が感染リスクを低減させます。感染拡大を防ぎ、子どもたちの健康を守りましょう。

この記事を書いた医師

望月 優暁

Masaaki Mochizuki

日本小児科学会 小児科専門医
はまっここどもクリニック 院長

2015年横浜市立大学医学部医学科卒業、横浜市立市民病院、藤沢市民病院、横浜市立大学附属病院、静岡県立こども病院等で小児医療に携わり、2023年に横浜市都筑区に「はまっここどもクリニック」を開院。