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胃腸炎
嘔吐や腹痛の原因として最多です。嘔吐・腹痛・下痢の3つが揃っていればほとんどの場合胃腸炎です。
原因はウイルスのことが多く、それに対する特効薬はありません。整腸剤を飲むと、いくらか治りが早くなるかもしれないと言われています。基本的には経口補水液を無理せず少量ずつ摂取することで脱水を防ぎながら自分の力で治癒していくのを待つことになります。まったく飲めない、飲んでもすぐ吐いてしまうことが続くなどがあれば、点滴による補液を考慮します。
下痢が続く場合に止痢剤(下痢止め)を飲んだ方が良いと思う方もいらっしゃるとは思いますが、感染性の下痢に関しては止痢剤は使いません。ウイルスなどの病原体を体の外に出すためです。止痢剤をつかうのは、潰瘍性大腸炎やクローン病など感染性ではない下痢に対してです。
便秘症
最近便が硬い、少ししか出ない、ご飯を食べたあとにお腹が痛くなる、などがあれば胃腸炎よりは便秘症の可能性を考えます。離乳食への移行期やトイレトレーニングの時期に便秘になりやすいとされています。
登校・登園前に排便する時間をしっかり作る、食事や水分をしっかりとる、食事は食物繊維の多いものを摂るように心がける、などの対策があります。生活習慣の改善でも治りにくい便秘については、①腸管内の細菌叢(よいバイキンの生態系)の改善、②便をやわらかくする薬か、③お腹の動きをよくする薬などの薬剤療法があります。
腸重積
嘔吐・間欠的啼泣(かんけつていきゅう;泣いたり泣き止んだりが続くこと)・血便が3つの主な症状です。3つそろわなくても腸重積であることがあります。血便はいちごゼリー状の粘血便(ねばっこい便)が特徴的です。なんらかの原因で腸管と腸管が重なってしまい、上記の症状が起こります。
総合病院でレントゲンをみながら造影剤(レントゲンに写りやすい薬剤)をお尻から注入して、腸管をもとに戻す治療がされます。クリニックではできないので、総合病院に紹介させていただくことになります。
周期性嘔吐症
風邪のたびに吐きがとまらない、などがあれば可能性があります。「自家中毒症」ともいいます。