ABO血液型検査

 ABO血液型は,赤血球血液型のうちの代表的なものです。A型の人では赤血球(血の赤い成分)の上にA抗原こうげん(標識のようなもの)、B型の人ではB抗原が、AB型ではその両方が存在し、O型では逆にどちらの抗原もありません。

 またややこしいですが、抗A抗体こうたい(抗原とくっついて反応する物質)抗B抗体というものが血液中にあります。A型の人では抗B抗体を体の中に持ってます(もし抗A抗体を持っていたら自分のA抗原と反応してしまいます!)。B型の人では抗A抗体をもっています。ABではどちらも持ってません。O型の人はどちらの抗原ももってないので、抗A抗体・抗B抗体どちらももっています。

血液型赤血球上の抗原血液中の抗体
A型A抗原抗B抗体
B型B抗原抗A抗体
AB型A抗原とB抗原なし
O型なし抗A抗体と抗B抗体
血液型と、もっている抗原・抗体の一覧

 血液型判定のためには,オモテ検査ウラ検査を行います。オモテ検査では、赤血球上のA抗原やB抗原を検出することで行います。ウラ検査は、患者さんの血液中の抗A抗体,抗B抗体を検出する検査です。オモテ検査とウラ検査の結果が上のパターンとマッチすれば血液型がわかることになります。オモテ・ウラ不一致の場合には「判定保留」となります。不一致の理由の一部を記事後半で解説します。

 日本人はA型が最も多く、AB型がもっとも少ないとされています。またRhは大体の人がプラスなので、AB型Rhマイナスの人は極めて少ないことがわかります。

 血液型を占いに使うのは日本人くらいで、海外は星座占いがメジャーなようです。

ハマッココ

なんか病気や怪我とかをしたときに、血液型が必要になるんじゃないの??

 不幸にも事故に巻き込まれて輸血が必要になったとき、血液型の情報をあらかじめ知っておいた方がよいかとおもうかもしれませんが、そのときはその医療機関で血液型検査を改めて行います。結果を待っていられないほど重症であってもひとまずO型の血液を輸血すれば、緊急輸血として対応することが可能です(患者さんの血液中に抗Aや抗B抗体があっても、O型の輸血製剤の中にはA抗原もB抗原もないため)。

Rh検査

 Rh血液型は,ABO血液型の次に重要な血液型です。上で解説したA抗原やB抗原とは別に、D抗原というものがあり、抗D抗体の入った試薬を用い血液型を判定します。胎盤の通過性があるため、「Rh不適合妊娠」ではしばしば問題になる血液型です。ややこしいのでここでは詳細は割愛します。

 よく、「A型+(プラス)」「AB型−(マイナス)」といってる、プラスやマイナスはこのRh血液型のことです。

血液型検査

 ABO血液型はオモテ検査とウラ検査の両者を実施し,それぞれの結果が一致した場合のみ血液型を判定します。不一致の原因として、年齢が小さいと抗体がつくられている量が、検査で検出する量に達さず、抗A抗体・抗B抗体のありなしが不明になることがひとつの原因としてあります。一歳未満の子でウラ検査で抗A,抗Bが検出されない場合は2歳以降に改めて再検査をする必要があります。

当クリニックでの血液型検査について

 当クリニックでは、生後4ヶ月を超えていれば血液型検査を自費でお受けしています。

 ただし上記説明にもあるように、血液型判定が保留になることがあります。特に一歳未満の場合はその可能性が高くなるため、判定ができない可能性があることをご了承いただいて行うか、または二歳くらいまで待ってから血液型検査を行うことになります。